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がん細胞の天敵、ナチュラルキラー細胞

ナチュラルキラー細胞という、おそろしげな名前の免疫細胞があります。「生まれながらの殺し屋」と名づけられています。この細胞は、がん細胞やウイルスに感染した細胞にとっては、天敵といえるくらいにこわい細胞なのです。

がん細胞ができると、どんどん増殖します。これを抑える働きがなければ、私たちはがんに冒されてばたばた死んでしまいます。

ウイルスは不思議な性質をもっています。自分自身で増殖することができず、ほかの生物の細胞の中に入ることによってはじめて増殖が可能になるのです。インフルエンザウイルスや肝炎ウイルスは体の中に入ってくると、細胞に侵入してどんどん増殖しようとします。増殖を抑えることができなければ、私たちはすぐにインフルエンザに感染したり、肝炎を発症してしまいます。

ここに登場するのがナチュラルキラー細胞(以下、NK細胞と呼びます)です。NK細胞は通常、ほかの免疫細胞たちとは乎を糾まず、1匹狼のごとく体の中を巡回しています。そして、がん細胞やウイルス感染細胞を見つけると、殺し屋の本性を発揮し、破壊してしまいます。

アレルギーにかかわる獲得免疫

ここまでで、マクロファージ、好中球、NK細胞の3種類の免疫細胞を紹介しました。これらの細胞がかかわる免疫は、「自然免疫」と呼ばれています。つまり、私たちの体に生まれつき備わっている免疫ということです。

これに対して、獲得免疫と呼ばれる免疫機能があります。体の中に細菌やウイルスが入ってきたとき、それを外敵と認識することによって、はじめて獲得される免疫機能だという憲味です。この意味はこれからじょじょにわかってくると思います。そして、アレルギーに主としてかかわるのは、この獲得免疫のほうです。

獲得免疫にかかわる免疫細胞にはB細胞とT細胞があります。B細胞は骨髄(Bone marrow)で誕生するので、生まれた場所の頭文字を取って名づけられました。T細胞も同じく骨髄で生まれますが、その後、胸腺(Thymus)というリンパ組織に送られ、特別な機能を獲得するための教育を受けます。そこで、その教育を受ける場所の頭文字を取ってT細胞と名づけられました。

命名の由来はわかりやすいのですが、その機能はなかなか複雑で、マクロファージやNK細胞の「敵を食べる、破壊する」という機能ほどわかりやすくありません。

B細胞の表面の抗体

B細胞の特徴は、細胞表面に抗体と呼ばれる分子をもっていることです。この抗体は、私たちの体の中に入ってくる、病原菌などの外敵と結合する働きをもっています。このとき抗体と結合する外敵を抗原と呼びます。そして抗体を使って抗原をキャッチするとき、B細胞は非常に巧妙な技を発抑します。

抗原にはたくさんの種類があり、10億種類とも100億種類ともいわれています。仮に10億種類の抗原があると想定すれば、その莫大な数の抗原は1種類ずつがすべて少しずつどこかが違っていることになります。B細胞は、その1種類ずつ述う10億種類もの抗原をキャッチできる抗体を用意することができるのです。

もちろん、1佃のB細胞が10億種類の抗原に対する抗体をすべて用意できるわけではありません。佃々のB細胞は1種類の抗原と結合する抗体だけをもっています。B細胞全体として、10億種類以上の抗体を川意できるということです。

あるB細胞はAという病原菌だけと結合できる抗体をもっていて、その特定の病原菌、つまり抗原だけをターゲットにして攻撃します。好中球やマクロファージは、AでもBでもCでも、不特定の病原菌をターゲットにして食べる性質があります。それらとは違い、個々のB細胞は特定の抗原だけをターゲットにするというところが、この免疫細胞の特徴です。

抗体をどんどんつくるB細胞

さて、B細胞は実際にどのようにして抗原を退治するのでしょうか? 先ほど紹介したNK細胞は、1匹狼的性格のもち主ですから、ほかに頼らず単独で行動しましたが、B細胞の抗原退治劇はほかの免疫細胞たちと協同で進められます。

B細胞は自分のもっている抗体に合う抗原を見つけるとそれをキャッチし、細胞内に摂り込んで分解します。そして、分解した抗原の一部を細胞の表面に示します。これを抗原提示といいます。

わかりやすくいえば、B細胞は自分のもつ抗体に合う抗原をキャッチすると、「いまA病原函という悪いヤツを捕まえた。そいつはこういう人相をしていて、これこれこういう特徴がある」ということがわかる手配書を貼りだすのです。